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匝瑳メガソーラーシェアリング発電所2017年4/3落成式レポート

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ソーラーシェアリング推進連盟の設立に溯ること1年前の2017年3月、これからのソーラーシェアリング普及へのシンボルのひとつとなるだろう「匝瑳メガソーラーシェアリング発電所」が完成、推進連盟の関係者も多くが落成式に参加しました。
日本の農業とエネルギーの未来が変わるかもしれない、そんな思いにさせる画期的な発電所の落成式には、千葉県匝瑳市の広々とした畑の中に、3人の首相経験者をはじめ、自然エネルギーの普及のため最前線で活躍する人々、そして地域の農家の方など、合わせて100人以上がお祝いに集まりました。

以下の記事は、earth garden webで昨年アップされたこちらの記事から引用しています。
http://www.earth-garden.jp/study/55760/

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匝瑳メガソーラーシェアリング発電所 落成式レポート

文:高橋真樹 / 写真:片岡一史

ソーラーシェアリングとは、細長いソーラーパネルを畑の上に設置し、太陽の光を作物と発電の両方に活用(シェア)しようというものです。パネルが細長くなっているのは、発電をしながら太陽の光を作物に届けるだけではなく、風などの影響を受けにくくするためでもあります。農家にとって農業収入と売電収入の両方が得られることから、農業を持続可能なものにすることができると考えられています。ソーラーシェアリングはこれまで、比較的小規模な農地の上に設置されてきました。

しかしこの匝瑳メガソーラーシェアリングは、これまでの常識を超える1万枚以上のパネルを設置、出力1メガワット(1000キロワット)の規模を実現しています。これは、数字の上では一般家庭300世帯以上で使う電力消費量と同程度です。この発電所のある匝瑳市飯塚地区の世帯は約230世帯なので、地域の全電力消費量を上回る規模のものになっています。事業主は地元の法人である「市民エネルギーちば合同会社」が主導して設立した、「匝瑳ソーラーシェアリング合同会社」で、すでに3月27日から売電を始めています。

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ソーラーシェアリングは、単に発電すればよいというわけではありません。農家や地域に売電収入をもらたすことで、日本の農業を持続可能なものにしていくというコンセプトが大切です。今回の匝瑳メガソーラーシェアリングでは、設備を設置した3.2ヘクタールもの休耕地を活用するため、若手の農家のグループ「ThreeLittleBirds合同会社」が、大豆や麦の耕作を担う仕組みになっています。また地域に利益をもたらしたいとの狙いから、売電収益のうち毎年200万円程度を地域振興のために活用していく予定です。

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落成式に出席したのは、小泉純一郎氏、細川護煕氏、菅直人氏ら歴代の総理大臣経験者3名のほか、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)、大林ミカ氏(自然エネルギー財団事務局長)ら、自然エネルギー普及に奔走するキーマンたちです。また、ソーラーシェアリングの発案者である長島彬氏や、事業に融資している城南信用金庫の吉原毅相談役、SBIエナジーの中塚一宏代表取締役らも参加しました。当日行われたスピーチの一部をご紹介します。

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椿茂雄氏(匝瑳ソーラーシェアリング合同会社代表)

「農地と自然を守りながら、地域を活性化していきたいという思いをもってこの事業に挑みました。売電収入によって農家の経営が安定すれば、農業に積極的にチャレンジすることもできる。採算性がないからと、耕作放棄地が拡大していますが、それも解消します。ソーラーシェアリングは、未来を切り開く新しい農業の形だと考えています」

小泉純一郎元総理大臣

「太陽光発電所を見に行くと、その下に雑草が生えていました。あれをどう処理するのか心配していた矢先に、ソーラーシェラリングの話を聞いて流石だなと思いました。匝瑳で成功すれば、全国各地で今より自然エネルギーが増えて農家の収入も上がる。そういう模範となって欲しい。全国に、全世界に広がる第一歩だと思います。期待しています」

菅直人元総理大臣

「発電と農業との兼業が大事な点です。田舎で働きたいと思っても収入が厳しいのですが、ソーラーシェアリングで2ヘクタールくらいあれば、ちゃんと子どもを2人か3人大学にやっても、十分安定して生活していくことができる。都市部に集中した人口を、もう一度地域分散型にすることができます。ソーラーシェアリングは、それを実現する現実的な政策ではないかと思います」

細川護煕元総理大臣

「今回はこのような素晴らしいものができて嬉しく思います。日本のこれからの農業にとっても、エネルギーにとってもよき第一歩となるように、皆さん方にますます頑張っていただきたいと思います」

長島彬氏(ソーラーシェアリング発案者)

「私は農業機械の開発者でした。日本の農業をどうにか再生したいとソーラーシェアリングのアイデアを考えました。そのときは、日本の農地全体が発電所になるんだと思いました。でも誰もそれを実証してくれないので、私自身が千葉県市原市でソーラーシェアリングの実証事業を始めました。これからは日本だけでなく世界にも広がっていくはずです。実際にケニアなどでも研究が始まっています。」

佐藤タイジも応援にかけつけてくれました

ソーラーブドウカンの佐藤タイジも応援にかけつけてくれました

 

落成式終了後は場所を移し、小泉純一郎元総理大臣による講演会「日本と自然エネルギーの未来」が行われました。小泉氏は、総理時代と変わらぬ熱弁で脱原発と自然エネルギーの重要性を語り、こちらも盛況となりました。匝瑳メガソーラシェアリングの取り組みは、自然エネルギーの普及、農業の再生、地域経済の活性化など、さまざまな課題解決につながるモデルケースとなる可能性があります。農業とエネルギーの新しい関係を築くこの取組に注目してほしいと思います。

 

ソーラーシェアリングについて、その原理などをさらに知りたい方はコチラの記事をぜひご参照ください。
「畑の上の太陽光発電「ソーラーシェアリング」の生みの親
長島彬に聞く『エネルギーと農業で日本の未来を変える』」
http://www.earth-garden.jp/study/47745/

 

 

 

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